インド 財務諸表の特徴

経理実務

インドの決算書ってみたころありますか?初めて見た瞬間、解読不能。。。連結仕訳どしたらよいの?と、茫然とし思考停止状態が続きました。会計は万国共通という既存の考えが音を立てて崩れていきました。

そんなインドの財務諸表の特徴について解説していきます。

連結決算でインドの会社を担当することとなった方、インドの得意先の財務諸表を確認しなければならなくなった営業の方向けに投稿します。

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カンマの位置

まずは、ぱっとみ、桁のカンマの位置が日本と異なります。

日本や欧米的には百万円であれば1,000,000円となり左に3つゼロを開けてカンマが置かれます。

インドは左に最初の3つゼロを開けるのは日本と同様だが、そこから左に3つではなく2つ開けてカンマが置かれます。

10,00,000円(百万円)

1,00,00,000円(1千万円)

1,00,00,00,000円(10億円)

となります。これがかなり読みにくいですね!

というのも、

インドでは

100,000ルピーは1ラック(Lakh)

100ラックは1クロー(Crore)と言います。

これが基準となっています。だから、桁が2桁飛びになるのです。

1ラック=100,000ルピー=1,00,000ルピー

1クロー=100ラック(1ラック×100)=10,000,000=10,00,000ルピー

つまり1ラックの1,00,000にゼロを2つ足してカンマつけて1を足すのです。

めんどくさいですね。

固定制配列法

1.BSが固定制配列法になっています。

2.さらに貸借逆!

3.最後に純資産が一番上になります!

ここまできたら訳わからないでしょ。

さて、1から解説します。

通常、一般的な企業は流動性配列法です。

ちなみに、流動性配列法と固定制配列法は図の通りです。

固定制配列法は固定性が流動性よりも重要な企業のBSの場合です。

たとえば、電力会社やガス会社等が該当します。

2.さらに、これが貸借逆になります。

ここまでで終わればよいのですが、さらに進みます!

3.借方の純資産が一番上になります!

これはインドにおいては日本と異なり換金性の低いものが上に来るためだからです。

なかなか理解出来ないですよね!

明細を見てみましょう!

スペースの関係で1行で表現させていただきます。英文表記も追加させていただきますね。

貸借対照表 Balance Sheet
負債・純資産合計Equity and liabilities
株主資本Shareholders’funds
資本金Share Capital
剰余金Reserves and surplus
固定負債Non-current liabilities
長期借入金Long-term borrwings
退職給付費用Long-term provisions
流動負債Current liabilities
買掛金Trade payable
未払金Other current liabilities
短期借入金Short-term loans
合計Total
資産Assets
固定資産合計Non-current assets
有形固定資産Fixed assets
建物、機械、器具工具Property,plant and equipment
無形固定資産Intangible assets
建設仮勘定Capital work-in-progress
長期貸付金・前渡金Long-term Loans and advances
流動資産合計Current assets
在庫Inventories
売掛金Trade receivables
現預金Cash and bank balances
短期貸付金・前渡金Loans and advanced
その他流動資産Other current assets
合計Total

となります。

これ、初めて見る人、特に日本企業のBS見ている人は訳わからなくなりますね!

理解出来ましたでしょうか?

ちなみに、PLの配列はどうかというと特段変わったところはありません。

ただし、インドは税金が複雑です。GST等難解な税金制度がありますので、現地の会計事務所に聞くことをお勧めします。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

初めてインドの決算書を見た時に衝撃を覚えたのを皆様にお伝えしたかったので、投稿しました。

いずれにしても、慣れれば問題はありません。

会計は万国共通とは言ったもので、確かに概ね共通であると上記内容を理解した後に納得しました。

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