グローバル企業の課題と解決方法3選!

経営

今日はグローバル企業が抱えるよくある問題点と解決方法3選についてです。グローバル企業の範囲はトヨタとかソフトバンクとか超一流企業ではなく、売上高5,000億円から30億円の企業を対象とします。

今、海外拠点17社あり本社財務部として統制している経験から主たる問題点、解決策についてを投稿します。自らも海外出向した経験から以下の解決策を全社に提案してきました。

課題

グローバル企業が抱える課題はざっと以下に括られると考えます。

1.人材不足

2.本社とのコミニュケーション

3.文化の違い

国が違うと言葉が違います。異国で働くということは、その国に馴染みながら本社の色を出していくとい難しい舵取りが必要です。

日本と同様のやり方で通用するケースはほぼありません。

早速、課題解決を書いていきます。

現状からの解決策

問題:人材不足

英語が話せない

まずは、英語が話せないです。海外で働くためには現地語よりも英語です。英語が出来ればどの国に行っても仕事は出来ます。ただ、現地語は現地語で重要な時もあるのは否めません。

超一流企業で働く方々は、入社時にTOEIC800点以上とかいう制限があって、それをクリアした人が入社されていると思います。ただ、ほとんどの会社は人材不足で、そなような制限を設けたとしても、なかなか合う人材を入社させることは出来ていないのが現状です。入口はそういう感じでしたが、中はどうかというと、社内で教育費として語学取得の費用を負担しても、応募者が延びません。確かに、日常的に英語を使う機会はそう多くはないので、あまり焦って語学習得に取り組む人は少ない状況です。

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後任が育っていない

次に、海外から帰任する人の後任を送り込まなくてはいけませんが、人材が育っていないということです。人材不足だからといって中途採用を募集しても、海外出向の経験者というのも多くはなく、採用の立場から言うとミスマッチが発生しています。

また、後任を育てようとトレーニーという制度があり、20代、30代前半のスタッフは海外出向を2年間限定で行ってもらうのですが、これは機能不全を起こします。現地は、トレーニーする余裕はないのです。多分、利益率が低いか、変革期の会社かなのですが、トレーニーから正式な出向になる場合が多く、業務内容も最初から完全出向者扱い。これでは、行って覚えるみたいな方法です。確かに、超一流企業ではない会社は、人材難ですので止む無しなところもあります。

出向前研修の機能不全

出向候補者は子会社の経営責任を負う役目があるので、経営数値を抑えてもらう必要があります。そのため、事前に経理研修を実施している会社も多いと思います。これは、まったく無駄な研修です。例えば、1日受講したからといって経営数値の何パーセントを理解出来るのでしょうか?はっきり言って座学では限界です。

解決策:人材不足

英語が話せない

入社時では、超一流企業に人材を奪われてしまうので社内でモチベーションをUPさせつつ、語学取得をしてもらう必要があります。言い換えると無理やり覚えろ!です。

具体的には昇格試験の条件に係長はTOEIC500点以上、課長は700点以上というように指定をします。

ちなみに、役職が上になるにつれて発言の責任の重さが増していくので、この点数に差をつけるのは重要です。実際、私自身、部長という立場でアメリカとリモート会議を実施する場面もあり、英語は勉強しておいて、良かったと痛感しました。

また、管理者は、日頃から英語に触れる機会を部下に与えることが重要です。このスタッフは英語が出来ないから、出来るスタッフにお願いしようと行動していては、いつまでたっても出来ないスタッフはモチベーションにも変化が出ません。ここは、色々説得しながらもやらせるのみです。その際、フォローは確実いしましょう。

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後任が育っていない

月1回でも良いので、リモート会議を実施します。現地出向者、現地人と含めて困りごと相談を開いて、現地の状況、課題、解決方法を一緒に考えるというやり方をお勧めします。当然、こちら側はスタッフの管理者が出席することが前提です。

これにより日本に居ながらスキルUPすることが出来、語学取得のモチベーションにも繋がっていきます。

また、出向期間の長さも全社的に見て後任出向者が育たない原因の一つと思いますので、現状5年を3年にしたり(大手はすでに実施済)するのも良いのかとは思います。一生に1回ではなく、3回くらい出向を経験するようなイメージで人事戦略を取るべきかとは思います

出向前研修の機能不全

出向前研修を止めて、出向前部門移動をすることです。部門は経理部門です。ここで、経営数値を学んでもらいます。経営者との打ち合わせにも出席してもらいます。最低6か月は在籍してもらう方がよいでしょう。

経営のベースは財務諸表です。これを見てPDCAを回していくという癖をつけさえることが重要です。

経理の仕事については すぐ分かる 経理の仕事紹介! に詳しく載っていますので参考にしてください。

問題:本社とのコミニュケーション

本社との考えにGAPがある

本社が海外子会社にあーしろ!こーしろ!とは言うけれど現地は現地で精一杯やっている。本社は何言っているんだ。そんなことしたら、会社が崩壊する。一方、本社はまったく、あんなことも出来ないのか。スピードが遅いと嘆く。みたいな感じのやりとりは、どこでもある話と思います。

OKY:お前来てやってみろ

とはよく言ったもので、出向者が本社に対する怒りの言葉ですね。

月次報告が遅い

財務諸表の締め切りは毎月10日ですが、遅延する会社があります。その会社は決まっていて、毎回同じ内容で遅延します。子会社のシステムはプアーですので、エクセルを多用している影響もあり、出てくる数字も間違いがあったりします。

また、受領した数字をまとめる経理部門の能力にも依存すると思います。英文会計が出来るものがいないとかいうと、まとめるのに時間がかかってしまいます。

解決策:本社とのコミニュケーション

本社との考えにGAPがある

なぜ、そのGAPが生まれるかというと経験の違いからくることが多いためです。例えば本社に海外出向経験がない人がいて、海外子会社には5年以上の経験者がいるとすると、当然物の見方、考え方、業務に対する価値観等全くことなる前提でコミニュケーションをすることとなります。

解決策としては出向期間を短縮(5年→3年)にして、本社部門に出向経験者を増やす努力をすることが重要です。

これにより同じ目線、価値観でコミニュケーションを取ることが出来るでしょう。

月次報告が遅い

期日を守るという習慣が、海外子会社の社長にない場合が多く、解決策は海外子会社の社長にその意識を持ってもらうことが重要です。

また、海外子会社のシステムを入れ替えて、月次報告のスピードをUPさせることも考えてもよいでしょう。日本のように会計システムがしっかりしている国は、特に日本企業が進出している新興国では少ないので本社から導入サポートをし、ブラックボックス化させないように新システムを導入するのも手とは思います。

経理部門については、英文会計を学ばせるべきでしょう。BATIC(国際会計検定)なる資格が世の中にあります。

BATICの内容については 経理部の人が転職に有利な資格5選 に詳しく載っています。特にBATICに関しては海外子会社がある限りは、勉強すべき資格ですので、今すぐチェックしてください。

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経理の仕事については すぐ分かる 経理の仕事紹介! に詳しく載っていますので参考にしてください。

問題:文化の違い

一度海外旅行に行かれた人なら分かりますが、食事をする時でも日本人とは異なる方法で食事をしますよね。例えば日本人は、お箸を使いますが、インド人は手で食べたりとか。

仕事も同じです。

日本人は報告、連絡、相談は当たり前、団体行動に関しては義務教育から仕込まれてきました。

異国はそんなのないところばかりです。ここでGAPが生じます。

例えば、日本で普通にパワハラもなく働いていた人が、ある国に出向すると怒る場面が増えることがあります。その国に行くすべての人がそうなります。これは、このGAPから来るところが大きいのです。

それと仕事が終わらないまま退社するなんてのは、よくあることで、日本人くらいですね、責任感を持って残業代なしで働いているのは。

解決策:文化の違い

これは1にも2にも教育しかありません。我々の報連相を現場で、座学で覚えさせます。以前出向していた時は、邦銀のセミナーで日本人と働くにはみたいなものがあり、報連相が入っていました。外部セミナーも活用してみるのも良いと思います。あとは、実施でひたすら訓練です。

団体行動にしても、特に製造業については朝のラジオ体操を全員でやってもらうことも良いことかもしれません。ちなみに、ラジオ体操は直接作業者が怪我無く作業出来るように実施する目的と団体行動の練習の目的があります。実施していない会社は、少しハードルが高いと思いますが、試してみてください。

ここから重要です。

日本人のやり方だけを押し付けては上手く機能しません。

現地の慣習や文化も自ら学ぶことが重要です。そのため、仕事ばかりをしていても、それらを学ぶことは出来ません。休日には現地人が居るところに行ってみたり、観光地を訪れたりして体で吸収することにより、考え方を学ぶことが出来ます。かといって、仕事ほっぽり出して遊びに行きまくるのもいかがなものかと思います。

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まとめ

いかがでしたか?

かなりざっくり書いてしまいましたが、17年間グローバル企業で働き、出向経験もある私からのアドバイスですので、ある程度信憑性はあると自負しております。

海外の文化に触れ海外に埋没しないように(中には現地化してしまう人も多くいます)していただけたらと思います。私も少しなりそうになったので。

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