管理会計で用いられる変動損益計算書を使ってPDCAサイクルをまわすことにより、会社は利益計画を達成していく。なぜ、変動損益計算書が必要なのかを、東証一部上場の経理部長自ら解説していきます!
なかなか赤字体質から脱却できない経営者、企画部門、経理部門の方必見です!
変動損益計算書とは
そもそも変動損益計算書とはどのようなものか?
サルでも分かる!損益分岐点とは! にて、ひな形を記載してあります。ぜひご確認ください!
ちなみに、この手の情報はネットに溢れていますが、簡潔にかかれているものは多くはありません。
ぜひ、当ブログを参照ください。
財務会計の損益計算書は会社を動かすことは出来ない
財務会計用の損益計算書を、管理会計用の損益計算書として使うことに関して、絶対やめた方がよいです!!
たとえば、売上が減少した場合に、それに連動して減少する費用と連動しない費用に分かれます。
連動して減少する費用はそのままほったらかしでもよいですが、連動しない費用、つまりは固定費。
これを次にどうするかを考えなくてはなりません。
これが財務会計用の損益計算書では非常にわかりにくい。
管理会計用の変動損益計算書であれば、一目でわかります。
これにより、じゃあ次は何をしたらよいか?が自ずとわかるのです。
また、新しい事業を始める時、固定費はそのままか多少増加するもためシミュレーションする際にも変動損益計算書が有効です。
変動損益計算書を使うメリット、デメリット
メリット
1.変動費、固定費に分解できて、次に取るべきアクションが明確になる
2.新規事業、撤退のシミュレーションに有効
3.利益に対する感度が上がる
デメリット
1.財務会計の損益計算書と整合させるには、組み換えが必要。かつ、その組み換えに時間がかかる。
2.財務会計の損益計算書は一般的、管理会計用のそれは会社独自のもの。そのまま他社では使えない。
3.月次決算時に財務会計の損益計算書の利益と差異分析が必要
結局、財務会計用の損益計算書は外部公開(航海)!
管理会計の変動損益計算書は、内部用。つまりは利益を出すために作成したツールなのです。
このツールを使わないわけにはいきません!
変動損益計算書でPDCAを回す
そもそも財務諸表はPDCAをまわすツールです!
PDCA=PLAN(計画)、DO(実行)、CHECK(分析)、ACTION(行動)
これを回すために変動損益計算書を使うのです!
そうです。変動損益計算書は利益を追求するために作成された書式なのです。
変動費、固定費に分解し、損益分岐点を分析することにより、目標となる損益分岐点をKPIとして各事業が取り組み、その結果、利益を出すことが可能となります。
損益分岐点については、サルでも分かる!損益分岐点とは! に詳しく説明をしてあります。ぜひご覧ください。
具体的な進め方を解説します。
1.変動損益計算書を作成
2.損益分岐点売上高を算出
3.目標となる損益分岐点売上高を決定しておきます。
4.全社会議を開催。管理職以上を招集させ、現状の変動損益計算書を共有させます。
5.目標となる損益分岐点売上高を出席者に周知させます。
6.具体的なアクションを各部門で考えてもらいます。
7.そのアクションを実行します。
8.次の月次会議にそれらのアクションの結果を変動損益計算書で確認していきます。
といった流れです。
会社を動かすということは、非常に時間とパワーが必要ですが、これをしないで利益を出すことは簡単ではありません。
ぜひチャレンジしてください!
まとめ
いかがでしたか?
ここで覚えていただきたい事項を再度繰り返します!
・財務会計用の損益計算書は管理会計用として使うべきではない
・変動損益計算書を使って全社的にPDCAをまわしていくことが利益達成の近道
これは、私の経験から回答を得たものです。
25年近く経理職として生きて来たものが出した回答です。
自分で言うのもお恥ずかしいですが、このとおりすれば絶対利益は出ますのでぜひチャレンジしてください。
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