上場企業経理部 年間スケジュール

経理部あれこれ

上場企業の経理部は、主として連結決算や有価証券報告書作成があります。それ以外にも色々な業務があり人が何人いても足りません。いかに不要な業務をやらないか、または必要な業務に集中するかがマネージメントのカギとなっています。上場企業の経理部長自ら、年間スケジュールについて解説していきます。

上場企業に転職を考えている方は参考にしてください。

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年間スケジュール概要

対外的、社内的なイベントをざっくり表現すると以下の通りになります。

会社によって多少異なります。

こちらの前提は、製造業で年間売上高1,000億円未満、子会社20社未満、経理部十数名、親会社と子会社の決算は3か月ズレでIFRS非対応の場合です。

ー特徴は以下のとおりー

年がら年中決算です!決算がルーティンワークとなっております。

金融庁の45日開示等の早期化でいつもあわただしいです。

監査法人の四半期レビューや期末監査も同様にあり、いつも監査法人が会社に来ている状況です。

詳細は、それぞれ見ていきます。

四半期・年度決算

頻度:四半期ごと

内容:会社法、金融商品取引法による決算(連結決算、開示業務、JSOX対応、監査法人対応含む)

先にも述べましたが、常に決算やっています!四半期決算が義務化されているので止む無しです。

会計士が言うには、日本だけとか?

首相!どうにかしてください!

日本の製造業は期間損益で業績を把握すべきで、短期的な四半期決算制度は会社全体にとってマイナスになっていると、とくのりは常に思っています!

そもそもIFRSの時価会計(BS基準)自体が日本経済(製造業)には向いてないと思っています。

少し本題からそれましたので、もとに戻します。

上記作表では記載しておりませんでしたが、JSOX対応も、この四半期決算・年度決算には含まれております。

やることたくさん!

各四半期決算においては、監査法人が四半期レビューを、期末は期末監査を実施しますが、経理部員は全員その対応をしなければならず、会計基準を把握していないと対応できないこともあります。

ただ、自然治癒力で、決算知識の乏しい経理部であっても決算の都度、監査法人からの知識を得ることにより、知識は着実に蓄えられます。

会社法、金融商品取引法の2つの法律の存在により、期末決算においては同じような書類を2つ作成しなければならず、この辺の無駄も国がどうにかしないといけない内容です。

これら決算数字を作成する前提として、日々のルーティンワークが存在します。

詳細は記載しませんが、

売掛管理、買掛管理、固定資産管理、原価計算管理(あれば)、その他取引等、日々の業務があってこその、決算処理となります。

単体・連結月次決算

頻度:月次

内容:四半期・年度決算の財務会計とは異なり、管理会計における月次での業績把握を実施します。

管理会計ですので、会社が独自で考えたフォーマット、KPIで業績を把握します。

実績を把握し、会社のアクションをスピーディーに取るために、月次での業績把握が求められます。

子会社予算

頻度:年初と中間で予算の見直しを実施します。本記事の前提として、子会社の事業年度は1月からですので、事業年度開始前の12月と中間の7月(年2回)見直しをします。

内容:子会社の予算作成(PL,BS,資金繰り、投資計画)

予算はあくまでも予算で、予算を作成した時点のものです。

予算作成完了した時点から、すでに実態はそこから乖離していきます。

最近の経済環境、地政学的リスク等、目まぐるしく変わっており、経営もその都度修正していかねばならず、そういう意味では昨今の経営者には順応力や事業の稼ぐ力がためされています。

具体的にはBS、PL、資金繰り表を作成していきます。

単体予算

頻度:親会社事業年度は3月ですので、3月と9月(年2回)に見直しをします。

内容:親会社の予算作成(BS,PL,資金繰り、投資計画)

単体は子会社と異なり、ほとんどの会社が小回りが利かず本社費配賦等で部門間の対立に経理部が巻き込まれることが少なくありません。

また、会社がグローバル化すると親会社が子会社の業務を肩代わりすることが多く、親会社の収益が圧迫されていく傾向があります。

数年前、あのT自動車でさえ、単体の営業利益は赤字でした!

先に作成した子会社分と合算して管理連結を作成していきます。

総会準備

頻度:年1回

内容:株主からの想定問答作成がメイン

本決算が締まると株主総会の準備をします。

株主からの質問に対応出来るように想定問答集を作成したりと、色々気を遣う内容のものが多いです。

IR説明会準備

頻度:中間と期末で年2回

内容:機関投資家からの想定問答作成と説明会資料作成

想定問答作成に関しては、総会準備とほぼ同様ですが、対象が機関投資家向けですので少し専門的な内容になります。

税務申告

頻度:法人税申告は年2回、固定資産税申告は年1回、その他消費税、印紙税等毎月あり。

内容:税法に則り申告書を作成します。

上場企業の場合、法人税の申告については4月決算処理中にほぼ完成させます。

5月に予納し、総会後納税します。

固定資産税については1月末が申告期限ですので、四半期決算の中、申告書を作成します。

資金繰り

頻度:毎月

内容:運転資金や設備資金等の手当てをし、不足する場合には調達手段を考え調達していきます。

年間資金繰り表に則り、銀行と折衝しながら資金調達をしていきます。

資金調達にはいくつかの方法がありますが、主として借入金がメインです。

海外子会社ある場合には、グローバルでの資金繰りも確認しながら進めていきます。

棚卸

頻度:在庫は毎月、固定資産は年1回

内容:実物と帳簿に差異があるか確認。もし、差異があれば原因を追究し正しく修正します。

ここでの棚卸は、在庫の棚卸と固定資産の2つ。

在庫については、毎月実施するのが本当ですが、差異がなければ理論値でも可能です。

但し年度は実棚が必要です。この辺は会社によって異なります。

固定資産については、製造業は特に工数がかかりますが、この時に確実に実施しておかないと正確なBS計上されたPLにおける減価償却費を算出することが出来なくなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ちなみに、監査法人は毎月のように来社します。国税局とは異なり、ある意味運命共同体的な組織ですので、うまく付き合っていくことが重要です。

さて、およそ上場会社の経理部スケジュールが分かりましたか?

DXが盛んに叫ばれていますが、ルーティンワークはシステムで、価値創造は人間がやるように今後方向付けされていくものと思います。

そうすると経理部の業務も今までとは異なった業務になり、スケジュールももっと高度な内容になっていくと思います。

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