今日は突然、海外出向(勤務)を命ぜられた場合の対応について投稿します。
結論は行く(受け入れる)です。
突然、上司から海外出向を命じられた場合、個人で解決は出来なく、家族、場合によっては親戚にも相談することとなります。出向って人生の転機と思います。ここを如何に今後の人生の踏み台にするかです。必ず出向命令を受け入れてください。
今回はそのメリット、デメリットを書いていきます。
これは私が副社長(管理系)として海外出向した経験から得たものです。
メリット
市場価値が高まる
海外で働くということは、海外の文化や慣習に触れて仕事を経験することで、これは希少価値となります。
海外出向は、日本国内の親会社から海外子会社に経営を担う日本代表として勤務する人がほとんどだと思います。それなりに、国内で認められた人でないと、親会社も子会社へは出向させません。
このように、選ばれし人が子会社の経営者になるのです。限られた経営資源(物、人、金)を預かって、最大限会社の利益出すという使命のもと出向となりますので、経営マインドも自ずと養われます。
規模は会社によりけりですが、おおよそ日本人数人で何百人、何千人の現地人をマネージメントしていくので、日本では得られない経験です。現地に出向すると、本社、得意先、仕入先の上位役職者との距離が一気に近くなります。その位出向者というのは、責任があり、かつやりがいのある仕事内容を経験出来るのです。
ただ、日本国内で経験を積んだ社員が、直ぐに海外で成果を上げられるかといったら、非常に難しいことです。ある程度時間は必要ではあります。
一方、海外在住者(=海外出向者)も増加傾向であることは否めません。外務省の 海外在留邦人数調査統計結果 に面白いデータがあります。
この中で、集計結果 令和3年(2021年版)エクセル の邦人数推移シート によると、在留邦人数は平成元年で58万人でしたが、令和2年で135万人と32年で3倍となっております。コロナで減少はあるものの、今後も増加するでしょう。
そうすると海外出向は希少価値であったことも少しずつ減少するでしょう。
但し、この波に乗れないと自分の価値は標準以下となってしまう可能性もあります。グローバル企業では、海外出向して当たり前の時代がすぐそこまで来ています。
ちなみに、在留邦人が多い国第1位はアメリカ、次いで中国、オーストラリア、タイ、カナダの順です(令和2年)。
また、外国人とコミニュケーションしないことには業務が進まないので、外国語(主として英語)の能力が向上します。
そりゃ、国内で仕事している時は、日本人と一緒ですから日本語ばかりで、たまにあるリモート会議やメールのやり取りで、英語を使うくらいですが、現地に行ったら毎日英語を話すことになります。もちろん、現地語の方が現地人には喜ばれますが、その国でしか通用はしないので、この先海外赴任2回目、3回目となると、共通語の英語の方が選択肢が増え、会社にとってもプラスとなります。
これにより英語は上達するでしょう。
なお、経理部が海外で働くうえで必要な資格は 経理部の人が転職に有利な資格5選 に詳しく記載あります。
日本を外から見れる
外国に住むと、日本ではこういうやり方だったけど、ここは違うんだという事柄に多く気が付きます。仕事の仕方はもちろんのこと、食事の仕方、買い物仕方等々。
今まで私たちが行って来たことと異なるやり方でやる。
これにより、日本を外から見ることが出来、今までやっていたのは世界では日本しか行っていなかったということに気が付くのです。そんなことが良くありました。そうです。
Jpanese Standardです。
ケースバイケースで、良いこともあり、悪いこともありました。良いところはそれを延ばし、悪いところは改善です。これを会社内で実践します。
世界で戦う会社にとって、世界と比較するという意義は非常に意味のあることで、これが各自の仕事の中に生きてくれば、世界で戦える、世界に負けない会社にもなると考えています。
自分のペースで仕事が出来る
上位の管理者が日本に居る為、箸の上げ下げまで管理される必要がなくなります。ですので、自分のペースで仕事が出来ます。かつ、決裁者も何人もいなく自分の決断ですぐ実行が出来てしまうのです。
小回りが利くのです。
実行したことは、即結果に繋がります。
結果が直ぐに見えるのです。
これがやりがいとなっていきます。また、今までやりたくても日本国内で出来なかった業務(国内では時間が無くて出来ない、必要がない)を出来る機会が、多く存在します。
こんなにストレスなく出来るものか!ずっとここにいたいなー!と思う人は少なくない位にストレスフリーとなります。
デメリット
家族・友人との時間が取れない
家族帯同で出向する場合には問題はありませんが、単身赴任の場合には家族と過ごす時間がなくなります。スマホを使ってテレビ電話は良くしていましたが、子供が思春期を迎えている場合には、まったく会話もなくなります。まあこれは国内にいる時と変わらなくはなりますね。私の場合は妻が更年期が酷くて、年に数回自費で帰国した時もありました。
友人と会う機会が減少します。ただ、出向先で気の合う日本人や現地人と新たに友人になることも出来ますので、個人的には、あまり寂しさはなかったです。
親御さんが介護を必要としている場合に、出向する際はハンディですね。だからと言って親御さんを悪者にしないでください。今まで育ててくれたのですから。出向出来る方法を考えましょう。奥様、兄弟、施設に面倒を見てもらう等、関係者でよく話し合われる方がよいでしょう。
あるいは、上司に連絡して、もう少し後にしてもらうとか多くの人を巻き込んで答えを出した方がよいでしょう。海外で働くって本当に「おおごと」なのですから。
場所によっては十分な医療が受けられない
出向者は海外保険を会社から渡され、病気等になったら外国の医者に自己負担なしで行くことが出来ます。但し、多くの製造業が進出している新興国では、日本と同じ水準の医療を受けることは難しいです。持病があれば薬を1年分持っていくとか、家族に会社経由で送ってもらうとかすべきです。
ちなみに、そういうところはハードシップ手当というものがあり、辺境の地にいくと給与が良くなるケースが多いです(会社規定による)。
ご自身の健康とよく相談された方がよろしいかと思います。
帰任後のGapが激しい
帰国すると、赴任時の業務に対するマインドと国内でのマインドとのGAPが大きく、これを埋めるのに数か月かかります。あー、もう一度戻りたいと人によっては思うのです。
これは、その人が海外で従事した期間とか、帰任の理由とかにもよるのですが、日本の決裁者の多さとか、スピードの遅さ、業務内容の物足りなさに悩まされるのです。
こんな時は、新しく趣味を見つけたり、他に楽しそうな業務を実行したりして、徐々に慣れていくしかありません(でした。これは私の経験)。
まとめ
いかがでしたか?
まず、海外出向の辞令は受け入れるが第1です!
自分の価値を上げるためにもぜひチャレンジしてください。
私も、もう一回くらい出向したいと今でも思っていますから。
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